しばらくして先生の声が聞こえた。

「そろそろ移動ー!」

何分くらい経ったかな…。
さっき時間見てないから分かんないや。

クラスの半分くらいが
教室から出たところで
椅子から立ち上がる。

教室から出ると弘樹が待っていてくれた。

「どうでした?」

「何が。」

気のせいかニヤニヤしているように見える。

「何がって…桜井さんと何か話した?」

ああ…そういうこと。

「何も話してない。」

またまた〜という調子で
肩を叩いてくる。

「何も話してないってわけないっしょ!
20分近く黙ってたの?」

20…結構短い時間だったな…。
どうりで目覚めが悪い。

「…黙ってたも何も先生来るまで
寝てたし。」

そう言うと、さっきまでニヤニヤしていた
弘樹の表情が固まる。