右から聞こえた細い声。
もしかして話しかけられてる?

桜井さんの方を見ると
鍵を見ている。

「うん。」

さすがに話しかけられて
無視するほどひどくはない。
……ハズ。

返事をしただけなのに
なんだか嬉しそう…っていうのは
考えすぎ?
口角が少し上がってる。

「…桜井さん?」

「はい!」

まるで条件反射…面白いな。

弘樹の言葉を思い出す。

『嫌われてるんじゃ…とか心配ならない?』

もしかして多少は心配だったのかな…。

「2学期からよろしくね。」