『どうしたんだよ?機嫌悪くね?』

ケンは笑いながら、ジュースの缶を一気に飲み干した。

『絢音っちと…ケンカした?』

『…してねぇよ』

ケンは、俺の顔を見てニコッと笑う。

『おまえが絢音っち以外のことで、機嫌悪くなるわけねぇもん』

『…うっせぇよ』

図星だから、余計に腹立つ。

『なぁ…ケン。…絢音のヤツ、また可愛くなったと思わね?』

俺は、深くため息をついた。

『絢音っちが…?そうかぁ?別に中学の頃とそんな変わんねぇけど』

『いーや。可愛くなった…制服のスカートも短すぎだろーよ』

『おまえはおっさんか。今どきの女子高生はみんな、あんなもんだろ?』

他の女は、どうでもいい。

でも絢音のスカートが短いのが嫌だ。

『絢音が誰かに持っていかれたら…どうしよう…俺…』

考えただけで、むかつく。

そんなの耐えられない。

『…大丈夫だと思うぜ?蒼が思ってるほど、絢音っち、別に可愛くねぇし。モテないじゃん』

『はっ?ケン…てめぇ』

『可愛くないは言いすぎだな。普通だ』

『ケン、ふざけんな』

『冗談だよ。俺と絢音っちの仲だから言っただけ』

『…はぁ』

俺は空を見上げた。