そして、これから起きる、ある状況。

俺たちは、ますます距離が近くなりすぎる。

まだ絢音は何も知らないけど。


ふと疑問に思うことがある。

俺たちって…いつまで、''幼なじみ''なんだ?

何か考えるだけで気が遠くなりそうな問題だ。

一生?

絢音が他の男と結婚…いやいや…ムリだ。

ありえない。ぶち壊す。

俺は、こんなくだらない妄想をしながら、学校の屋上で寝っころがっていた。

綺麗に晴れ渡る青い空に、白い雲が浮かぶ。

春の日差しは、ぽかぽかと暖かい。

陽の光が少しまぶしくて、腕で目をおおった。


『あーおっ!』

その声に、腕をずらすと、俺の顔を上からのぞき込む男。

『…ケン』

声をかけてきたのは、同じ中学出身でサッカー部だった、俺の親友…川畑健。

見た目は、サル顔。

『探したんだぜ?』

そう言ってケンは、俺の隣にあぐらをかいて座る。

ケンだけは、俺の絢音への気持ちを知っている。

『入学早々、モテてますなぁ〜蒼くん?』

『気持ちわりぃなぁ…''蒼くん''とか呼ぶなっ』