「……それだけ?」


「そう、それだけ。人間なんてそんなものよ。ただそうしたかったからそうする。自分がこうしたいと思ったその心に従うだけ」


「心…。人間というのは不思議だね。でもそれはとても単純だけど羨ましい」




彼女はまた驚きそしてとても嬉しそうに笑った。


「…なぜ笑うんだい?」


彼がそう聞いても彼女は『内緒』と言って答えてはくれなかった。