毎日仕事終わりに彼女は彼の修理をした。
彼の体は徐々に直り2週間もした頃には歩けるようになっていた。
「ようやく歩けるようになったね。あとは細かい所の調整くらいかな?どこか不調なところはある?」
「ここまで直してくれてありがとう。動くことにはもう大して違和感はないよ。
ただ…記憶処理の部分がまだ不調なんだ。命令もあの時のことも思い出せない」
彼は少し間を置いてから彼女に聞いた。
「ずっと聞きたかったことがあるんだ。…君はどうして僕を直してくれるの?僕たちは決してよく思われていない、特に君のような一般的な人には。
そんな存在である僕をなぜ直してくれるんだい?」
彼女は驚いたような顔をしたあとふっと笑った。
「そんなの簡単よ。ただ直したいと思ったから。ボロボロになってるあなたを見て私が直さなきゃって思いに駆られたの。それだけよ」