逃げなきゃっ


そう思うのと同時に彼女は走り出していた。


とにかく彼から離れようとした。しかし、相手はスクトゥム。


距離を引き離すつもりがむしろ縮められていた。


「お願い!目を覚まして!!私よっ!?」


無駄だとはわかっていても声をかけることをやめられなかった。


もう一度声を出そうとしたがそれは出来なかった。


いつの間にか前に回り込まれ首を絞められたのだ。


「はな…してっ!やめて!」