「命令受諾。100276号、ただちに命令を遂行します」


ようやく動いたかと思えば彼はそう言い、こちらに向かってきた。


「ど、どうしたの…?早く逃げよう?」


「ターゲット発見。掃討にかかります」


ジリジリと彼が近づいてくる。


いくら声をかけても彼は答えてはくれなかった。



ーーそれはもう『彼』ではなく『スクトゥム』であることを彼女は悟った。


どんな命令を受けたのかはわからない。


ただ彼は彼女を敵とみなしているのは明白であった。