「由美の荷物はなにもないし、離婚届が置いてあっただけなんだ。」



「今すぐお前んち行くから待ってろ」



翔太はやっぱり頼れる奴だ。



(ピンポーン)


「翔太、俺、どーすればいいんだよ。最悪だよ。おれは。」



「お前あんなに由美ちゃんのこと大事にしてたじゃんか。なにがあったんだよ。」



「仕事がばっかで由美ほったらかして、挙句の果てに由美に八つ当たりして。結婚記念日すら覚えてなくて。なあ、俺どーすればいいんだ?もう一度由美に会いたい」


「お前は馬鹿なの?何が一番大切なんだよ。何のために働いてんだよ。由美ちゃんに不自由な生活送らせないためだろ?なのになんで、由美ちゃんほったらかしにしてんだよ。」


翔太の言ってることが正論過ぎて俺は何も言えない。


「とりあえず、有梨沙にも聞いてみるよ。今日は帰るわ。お前はしっかり寝てご飯もたべろよ?」



「分かった。ありがとな。」


俺は何やってるのだろうか。親友にまで心配かけて


俺は目を閉じて眠った