あっさりとそう教えてくれた船橋さん。




「そっか。ありがとう」




俺がお礼を言うと、船橋さんは急にニヤッと笑った。




「なーに、澤本くん、すみれに告白すんの?」




「いや、違う! ただ……昨日借りた傘を返したくて……」




なんか、俊也にも同じように誤解されたような気がする。




「なーんだ、それだけか。じゃあね、澤本くん」




「お、おう」




………音楽室、か。




音楽室で何をしているんだろう。




吹奏楽部にでも入っているんだろうか。




俺はいろいろと考えながら3階にある音楽室へ向かった。