えっ。あの人って…


「なに?美梨あの人知ってるの?」


「知ってるっていうか…」


そう、転校生の正体は朝ぶつかった無愛想な男子だった。


「今日の朝、ぶつかった人…」


「ぶつかったぁ?あんた、前見てなかったの?笑」


「それ、あの人にも言われたよ。しかも、その言い方がねっ?」


「おい。香山うるさいぞ。転校生が自己紹介するってのに」


「ぁ…すみません」


みんながクスクス笑ってる。


恥ずかしい…///


「じゃあ、自己紹介たのむ」


「小野田拳志(おのだ けんし)です。よろしく。」


その人は、自己紹介までも無愛想だった。


こーゆー人苦手だなぁ…。あまり関わりたくない。


「席は、香山の後ろに新しく用意しといたからそこに座ってくれ」


へ?今、なんていった?


あたしの…後ろ?


まぢかぁ。


横を通り過ぎるとき、小野田くんに目を向けてしまった。


あ、こんなかっこよかったんだ。朝俯いてたから見てなかったけど。


って、ないない!あたし、この人と関わらないしね!うん!


前を向くと、ニヤニヤした顔をした佳奈美があたしを見ていた。