それは。

雨が降っていて。新入生の仮入部期間が始まった日だった。


はぁっ…自然とため息が漏れる。

「今年はサックスパート誰か入ってくれるのかな。」

2年生の私と3年生の凛さんは外を見ながらため息をついていた。

「葵ちゃんよ…。」

「どうかしましたか?!隊長!!」

凛先輩はグラウンドの野球部のほうを死んだ魚のような目で見つめている。


「見たまえ。野球部は新入生があんなにいるぞ。」


そちらに目を向けると…

確かに新入生が沢山いた。


「10人くらいくれてもいいのにねぇ」