「だって二人きりの時、嘘ついた事ある?」

え…
そんな事考えた事も無かった。
嘘は自然と出てきちゃってたから…

「俺が聞いたりしたのは、いつも俺達以外の第三者が居る時だろ?いつもその第三者が話てるのを聞いて、麻由がその話に乗ってる。その時麻由は、決まって悲しそうな顔をするんだ。」


「だからって私は…!友達に嘘つく最低な人間なんだよ…!」


「そんな事無い。誰だって嘘はつくよ。麻由はただそれが、後戻り出来なくなっただけだ。」


「っ…」

泣きすぎて、もう何が何だか分からない。ただ立って呼吸をするのがやっとだ。


「俺もごめん。知ってて何も言わなかった俺も最低だよな。」


「そんな事…な…い」

ふわっと真に抱きしめられる。

優しいけど力強く抱きしめられて、彼の匂いが胸一杯に広がって、苦しかった事が全部溶けていくような感じがした。

彼の腕の中でただただ泣きじゃくる。

しばらくすると、そう言えばさ、っと彼が腕を緩めて言た。

私はそれが寂しかったけど何?、と返した。











「別れようって言ったの嘘だよね?」