「おー!部屋も広い!何畳くらいあんだろこれ?快適ぃーっ!!」

「埃立つからやめて…。」


 部屋に入ると、ぼふんと音を立てて早速ふかふかのベッドに飛び込む風太。

 寮だというから、どうせ二段ベッドがあってお約束の上と下どっちで寝るかで揉めあうくだらない抗争があると勝手に踏んでいたのだけれど、そこもさすが、金持ち学校。二十畳ほどあると思われる部屋の両隅に、ベッドが一つずつ。ちょうど真ん中に置いてあるローテーブルとローソファーを区切りとして半分ずつが、各々のテリトリーといったところか…。


 「風太そっちなら私こっちか…。」と、風太が迷わず飛んで行った方と反対側のベッドに、私は腰掛けた。


「柚季、ダメだろ、それ」

「は?ダメ?」


 なにが