自分がそうだったから分かるけれど、噂をされる人間は嫉妬と羨望により尾びれ背びれ付けられてありもしない話を影で囁かれるものだ。基本的に僕は自分の目で確かめるまでは半信半疑である。
それに、仮にそうなんだとしても…、
「…僕、男だから関係なくない?」
「いや、それが…これもあくまで噂だけど…」
また噂…。
クラスメイトは人差し指をピンと真っ直ぐ立てて、
「男もイケるとか、なんとか」
「………アホらし。」
噂って凄いなと、ふいっとそっぽを向いた。
「あ、おーーーいッ!心配してやってんのに!」
「心配?なんの。」
「お前女顔だしさあ!」
「マジで黙れ。」
「いや、ホント口わりー…」
…とりあえず、キラキラしてて、噂が無茶苦茶だっていうことだけ、理解した。
その佐伯って人。