「ちょっとちょっとやすくんっ」

「うおっ、…んだよ?」


 ………

 香坂美景が、さえさんの服の袖を引っ張り耳元に顔を寄せた。


「あんっなカッコイイ一年生と知り合いなの!?」


 香坂美景が僕の方をちらっと横目で見ながら、小声で言う。

 ………黙れ、お前のその声でヒソヒソ話なんて無意味だアニメ女。


「は?"カッコイイ"…?」


 …うえっ?

 なんで、さえさん、こっち見るの、バカ、