「噂をすればなんとやらっ!?それに、勢揃いなんじゃない、ひょっとして!」
風太は嬉しそうに、「行ってみようぜっ」と、香坂美景の声のした方を指差す。
…心なしか、女子の群れも見えることから、数日前にさえさんとはるとクンとばったり会った日のことが、デジャヴった。
"勢揃い"?
風太はきっと甘味部の御三家がいるんじゃないかと踏んでいるのだろうけれど、
──どうだっていい。桐原先輩には一度は会ってみたいと思っていたはずなのに、その思いもその瞬間だけは吹き飛んでしまっていた。
さえさんが、いる、かも、?
また、会える、?