「…っつーかもうこんな時間…、そろそろ部活行こーぜー」

「そーだな、かいさぁーん!また明日な、垂水キョーダイ!」

「あ、うん……。」


 じゃーなー!と去って行く男子二人に、「おう!隼人、尚也、バイバーイ」と風太が手を振る。…そんな名前だったんだあの二人。初めて知った。なんてそんなこととてもじゃないけど言えない。


「さて、じゃあ俺たちも部活に…」


 行こうかあ、と、多分風太はそう言いたかったのだろうけれど、とある独特な声が一階の廊下に響き渡ったことによって、それは遮られたのだった。



「あっれーーー!やすくんがいるーーーうっ♡」



 ……この声、