「…柚季、無理しなくていいからな?」
…むり?
「俺も柚季の悲しむ顔はもう見たくないから、その…止めるつもりはないけど、でもそれでも男として生活するってことは、そんな簡単なことじゃないし、…恋愛だってきっとできないんだぞ?」
「………いいんだよ別に。」
バカじゃないの。恋愛なんて、どっちにしろできない。
過去を振り返ったってそうだ。
男の子にはよく声を掛けられていたけれど、その度に女子の妬み嫉みが酷くて、自ら男の子を避けるようになったほどなのに。
女だとしても男だとしても、結局関係ないってこと。