「どうしたんすか?」
宙は、子供のように、虹を見てニヤついていた。それが、晴にとって、とても不思議に映ったのだ。
「な、なんでもねぇよ。」
慌てて、手にスポンジを取り車の屋根を洗い出した。晴も慌てて、バケツの中からスポンジを取り出した。
「て、手伝います。」
そう言ったものの、バケツまで走った勢いが殺せなかった晴は、転がり水浸しになった。―――やっぱ、使えねぇや・・・。