教習所で使うバイクは、普通四ストロークだ。晴も、もちろんこのバイクを使った。けれども、宙のバイクはもう見る事のなくなった二ストロークだった。オイルを撒き散らしながら走るこのバイクは、晴にとっては経験した事のない乗りにくさだ。
そして、雨、焦りが、晴の体力を限界にさせていた。
ゆっくりアクセルを開けたつもりだった。しかし、それは晴の心の中だけの事だった。晴の意識に反して、バイクは暴れ馬のように前輪を持ち上げた。
「あわわ・・・。」
子供のような声を上げながら、なんとか体勢を持ち直そうとした。全身の筋肉を使い、全力でねじ伏せる。
「はぁ。なんとか、コカさなかったぞ。」
晴は、周りをよく見ていなかった。
そして、雨、焦りが、晴の体力を限界にさせていた。
ゆっくりアクセルを開けたつもりだった。しかし、それは晴の心の中だけの事だった。晴の意識に反して、バイクは暴れ馬のように前輪を持ち上げた。
「あわわ・・・。」
子供のような声を上げながら、なんとか体勢を持ち直そうとした。全身の筋肉を使い、全力でねじ伏せる。
「はぁ。なんとか、コカさなかったぞ。」
晴は、周りをよく見ていなかった。