そんなダストシュートにシエラを引き摺り込んでいるのは、細い…異常に細い体躯の男だった。

入院服を身に付けているので患者なのだろうか。

髪の毛は殆ど抜け落ち、肌がカサカサに荒れて皺だらけになっており、異様に青白い。

ニヤリと笑った口元からは、僅か数本しか歯が覗いていなかった。

不気味とも言えるその男が、細く節くれだった手でシエラを捕まえ、ダストシュートの中に引き摺り込む!

「やっ!助っ…助けてっ!アレックス!アレックス!」

必死に助けを求めながら、それでも瞬く間に。

アレックスが伸ばす手を摑む間もなく、シエラは狭いダストシュートの中へと消えていった。

引き摺り込んだ男と共に。