煙幕が晴れないうちに、このフロアの施錠を解除する。

「つくづく思ってたんだけどさあ」

シエラが消火剤に咳込みながら言う。

「貴方ジャーナリストよりテロリストとかの方が向いてない?」

「御挨拶だな、危機的状況から助け出してやろうっていうのに」

「それは感謝してるけど…こんな状況でそれだけの悪知恵が働くって、普通じゃないわよ」

「だから生き延びられるんだ」

「悪党ほど長生きするっていうもんね」

「否定はしないさ」

カチンと小気味いい音と共に施錠が解除される。

先を急ごう。

アレックスは鉄格子を開いて…。