「……!? そんなに」



――総務部は色々な社員の噂の宝庫だろ


「噂なんて、半分以上はあてにはならないじゃないですか。実はわたし、結城さんにパトロンがいるなんてことも聞きましたけど……」


――そんな風に思わない奴の方が多いんだよな。パトロンって、俺に!? そんなもの居るわけがないだろう


「ですよね。わたし、人の噂って信じたくないんです。実際に感じたり観たりしたことを大事にしたいんです」



――だから……総務で浮いてるんだな。カラーが違うんだ


「えっ!?」


トロくないなら編集部推薦なんだがな、思ってフッと笑う。


――時間大丈夫か? 俺は特に急がないが


和泉は左手に着けた時計を見る。


「あ……」

焦った顔をし、食べるペースを速める。


――慌てると喉に詰まるぞ