「スープの味がもの足らない……見つからない凶器が鋭利な……あっ!? 結城くん」
――気づかれましたか?
「鍋の中に入れてしまえば何も残らない……か」
――ええ、溶けてしまいますね
「うっ、飲みたくないスープだな」
――トマトスープが嫌いになりそうですよ
俺は大袈裟に、顔をしかめ手振りまでつけて見せる。
「結城くん、ミステリーを書いてみないかね!?」
――先生の作品で腹いっぱいですよ。それにトリックを考えてたら、眠剤の量が増えそうです
西村がハッとした顔を向けてくる。
「眠れないのかね?」
――ええ、快眠にはほど遠いですよ
「難儀だな。儂が夜通し可愛がって寝かせてやってもいいんだが」
ニマリ、鼻の下を伸ばして西村が言う。
俺の体を足先から頭まで、舐めるようにみつめて。
――遠慮します
――気づかれましたか?
「鍋の中に入れてしまえば何も残らない……か」
――ええ、溶けてしまいますね
「うっ、飲みたくないスープだな」
――トマトスープが嫌いになりそうですよ
俺は大袈裟に、顔をしかめ手振りまでつけて見せる。
「結城くん、ミステリーを書いてみないかね!?」
――先生の作品で腹いっぱいですよ。それにトリックを考えてたら、眠剤の量が増えそうです
西村がハッとした顔を向けてくる。
「眠れないのかね?」
――ええ、快眠にはほど遠いですよ
「難儀だな。儂が夜通し可愛がって寝かせてやってもいいんだが」
ニマリ、鼻の下を伸ばして西村が言う。
俺の体を足先から頭まで、舐めるようにみつめて。
――遠慮します