あげく、部下の新人女子社員を巻き込み、新人女子社員は登社拒否の末、精神を病み退職。
未だに通院している。

部内のパソコンへのハッキング、なんてこともあった。

ふざけた真似をしやがって……。


幸い、編集部内は平穏で妙な輩はいない。

それどころか、度々トラブルに巻き込まれたり、体調を崩して迷惑をかけている俺を包み込むように支えてくれている。

俺が喋れなくても何とか仕事をこなせているのも、ミスや苦情なく完璧だと言ってもらえるのも、部内のサポートがあってのことだと思っている。

有難いことだ。

だから、俺にとって苛めや嫌がらせ等は、信じがたいことだし、他人事ではない。

1歩、部外に出れば、そこかしこに妬み嫉みが転がっている。


――結城さん、苛めや嫌がらせって無くせないですかね


俺の隣り、優しい顔で俺の顔を覗きこんだ彼女の様子が、忘れられない。