彼女の同期が総務部だった。

――部内に苛められている女子社員がいる。大量の書類を机に積まれ、毎日残業している


そんな話を聞かされた。


「結城さん。聞いていてかわいそうで、何とかなりませんか」

相談を受け、同期の総務部部員と苛められている本人と面談した。

結局、対策半ば女子社員は退職し、パワハラ苦情相談室立ちあげ計画も頓挫した。

同期の総務部員は早々と、寿退職。

総務部内の苛めは、未だに受け継がれているようだ。

会社に、新卒採用の正社員や中途採用社員、バイトなど新人が入るたび、苛めに泣かされている。


――「結城さん。苛め、なくせたらいいですよね」

そう言っていた……あの優しい顔を思い出す。

かつては鬼と呼ばれた俺の元上司、編集部の黒田さんと共に新人が入るたび、目を光らせている。