黒田さんや相田さん、編集長クラスしか対処できない内容も多い。

最優先すべき内容を記した伝言から順に片付ける。

部員や黒田さんたちに電話を掛けてもらい、やり取りを確認しながら、メモを駆使して要件を聞き、受け答えをしてもらう。

この方法は、とくに新人や仕事を覚えたての部員、中途半端に仕事ができると勘違いしている部員を鍛えるのには、能率もよく効果もある。

ただ教えるのでなく、実践で仕事をさせることで、身に付くことも多いし、何より当人の自信になる。

俺はそう思っている。

俺が新人の頃。黒田さんが俺の指導をする時、1から10まで説明しなかった。

仕事は観察しながら盗んで覚えるものだと、繰り返し厳しく言っていた。

当時は、泣き言が口をついてでそうなくらい大変だったが、今なら最もだと思える。