ショボくれて、総務部の扉を開ける。

「和泉さん。戻ってきて早々、悪いんだけど編集部に行ってきてくれない!? これ持って」

「ノートパソコン!?」

「修理を頼まれてたの、結城由樹に」

「結城……結城由樹って言いました?」

「ええ、編集部の結城由樹にパソコン渡してきて」

――きゃーっ、超ラッキー

逸る気持ちを抑えて、冷静を装う。

気持ちはルンルン。

「行ってきます」

快諾し、パソコンを受け取る。

「和泉さん、くれぐれも大声とか出さないでね」

「はい!? 意味がわかりませんけど……」

「行けばわかるから」

「はあ~」

何を言わんとしているのかも、何を警戒しているのかもわからない。

足取りも軽く、総務部を出る。

廊下を軽く小走りする。
いやん、ワクワクドキドキが止まらない。