「へっ!?」

――スゴい、スゴすぎる


「でも、どうして!?」


「貴女、由樹が筆談だって知らなかったでしょ!?」


「はい」


「それに、普通はパソコンの修理が終わったという連絡だけだもの。わざわざ持ってくるなんて……いいわね、バレないように渡しなさい」


「ありがとう」を言う暇も与えず、電話は切れた。


要するに、貴女いじめられてるわよってことを伝えてくれたのかしらと思う。


辺りを見回して、誰もが怪しいような気がしてくる。

――だけど……これって、総務部の書類で、余所の部署で作成できないフォーマットの書類もあるんだけど

黒田さんからの電話の通り5分程して、結城さんが総務部に現れる。

真っ直ぐに私の席に向かって歩いてくる。

ドキドキしながら、不安と疑問を抱えたまま、黒田さんに言われた通り、準備する。