「えっ!? 全部……」

水嶋は冗談だろうという顔をするが、結城は平然としている。

沢山の作品はシリーズも合わせ数十冊もある。


――了解。紹介文、書いていくので、色はお願いしますね

「あ、はい」

ニコリと微笑んだ結城の顔に店員は頬を染める。


「結城、お前――本屋でバイトしていた?」

結城は『いいえ』と口を動かしつつ、人差し指を立て左右に振る。

「ずいぶん手慣れてないか」

――作品の紹介文って重要だと思うんですよ。読んだ本の紹介文がダサいと勿体ないと思うことが、結構あります


「万萬先生は週1は新刊コーナーに見えられてますよね」


――どんな本が読まれているかは重要ですからね。外周りの息抜きにもなりますし


「へぇ~、意外。マメなんだな」

『そうですかね』

結城は首を傾げて呟き、女子店員を見る。