――お世話になります。宜しくお願いします
10月中旬、同時発売日当日、萬寿堂。
「空と君との間には」発売イベントを間近にし、結城は萬寿堂書店社長と販売スタッフへの挨拶をした。
「空を詠む」を手にとった沢山江梨子には、サッと手を差し出す。
『宜しくお願いします』無声の挨拶に、沢山江梨子は笑顔でこたえる。
いつもの耐え難い香水の匂いはしない。
先日、沢山の自宅で倒れ心臓病だと言ったのが余程、気になったのだろう――結城は思う。
「相手が結城くんで良かった」
握手した手を離そうとする結城の手を握りしめたまま、沢田は結城を見上げ、目を見つめる。
「貴方の話の続きがずっと楽しみだったし、執筆意欲が湧いたの」
沢山江梨子は手を握ったまま、さらに続ける。
「もし、同時連載がメタボのエロオヤジだったら書き続けられなかったわ」
10月中旬、同時発売日当日、萬寿堂。
「空と君との間には」発売イベントを間近にし、結城は萬寿堂書店社長と販売スタッフへの挨拶をした。
「空を詠む」を手にとった沢山江梨子には、サッと手を差し出す。
『宜しくお願いします』無声の挨拶に、沢山江梨子は笑顔でこたえる。
いつもの耐え難い香水の匂いはしない。
先日、沢山の自宅で倒れ心臓病だと言ったのが余程、気になったのだろう――結城は思う。
「相手が結城くんで良かった」
握手した手を離そうとする結城の手を握りしめたまま、沢田は結城を見上げ、目を見つめる。
「貴方の話の続きがずっと楽しみだったし、執筆意欲が湧いたの」
沢山江梨子は手を握ったまま、さらに続ける。
「もし、同時連載がメタボのエロオヤジだったら書き続けられなかったわ」