期末テスト3日前…
あれから俺は、真凛をずっと観察してる。
そして、クラスの女子の事も
何か手がかりはないか観察していた。
「仲原く~ん」
裏庭の掃除当番で掃除していると
後ろから女子達の声がしてくる。
「…何?」
俺が振り向くと岸田さんとよく一緒にいる
田所さんと女子達が数名…
俺の前に立っていた。
「ねぇ、仲原くん後でちょっといい?」
「後で?いいけど…?」
「じゃあ、掃除が終わったら
ここで待っててね?」
「うん…?」
俺がそう言うか言わないかくらいで
女子達は、きゃあきゃあ言いながら
歩きだして行ってしまった。
何だあれ…
女子って…まとまると
何かめんどくさそうだよなぁ…。
あれ?確か前に…
隆司が"女同士って怖い"
って言ってたような…本当にそうかもな。
真凛……
ふと、心配になっている俺がいた。
掃除が終わって待っていると
「仲原くんっ!」
岸田さんが手を振りながら
走って俺の前に現れた。
「岸田さん?」
「ごめんね…
テスト期間で忙しいのに…
こんな所に呼び出しちゃって。」
「いや、大丈夫だよ…どうしたの?」
そう言って岸田さんを見ると
岸田さんの顔は真っ赤に染まって
俺の顔を恥ずかしそうに見ている。
え……?
すると、急に岸田さんが話し出した。
「あのね…ずっと伝えたくて…
でも言えなくて…でも言わないと
絶対…後悔するから…私
私ね…ずっと前から仲原くんが好き。」
「え?」
「あっ…ごめんね!ビックリしたよね…
でも…本当に好きなの…私じゃだめかな?」
急な告白に、俺が戸惑っていると
少し離れた場所から声が聞こえた。
「もう……早く早く…」
「絵莉ちゃんの告白…
断るとかないよね…?!」
「仲原くん…やっぱ市ノ瀬さんが
好きなのかな?」
「はぁ?あんなヤツのどこがいいわけ…
それはマジでないでしょっ!?」
「そうだよね…
顔がちょっと可愛いからって
かなり調子のってるしね…。」
「そうそう…っ。」
「あの子、絶対に許せないよね~。」
「みんなぁ~怖いから~
市ノ瀬さん、マジで可哀想~。」
「自業自得しょっ…。」
「クスクス…もうやめてよっ…」
小さな声だったが背後からの声は
俺にはよく聞こえていた。
…これ…
"女子にいじめられてるんじゃん?
最近、ずっと一人でいるだろ?
渋谷とばっか一緒にいるの
おかしいって思っただろ?"
隆司の言葉が頭の中で何度も繰り返し
浮かんできていた。
この前の真凛の机…もしかして…
コイツらがやったのか…?
ドクン、ドクン、ドクン
心臓が激しく音をたてている。
全身の血流が一気に
逆流していくような感覚になる。
「あのさ…ちょっと聞いていいかな?」
「え…何?」
「真凛と仲直りできた?」
「え…あ…うん…大丈夫だよ。」
「そっか…」
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…
嘘つくな…
岸田さん…
真凛と仲良かったんじゃなかったの?
俺の事…好きって…
いつも真凛と一緒にいて
俺が誰を好きかわからなかった?
真凛と岸田さんは友達…
あ……友達…?
だから真凛…あんな態度…
友達のために…?
なら本当は…俺の事…
そう考えると…
今までの真凛の不自然な行動が
意味あるものへと変わっていく。
俺への態度を急に変えた事…。
いつもは避けたりしてるのに…
二人でいると俺を
嬉しそうに見つめてくる。
でもふとした瞬間…
とても悲しい瞳をしていた。
それらが…
一瞬にして繋がっていくような
感覚になる。
真凛の笑顔が消えた理由…。
お前ら…
そこにいるヤツ…出てこいよ。
マジでふざけんなよ…
真凛は、何も悪くないのに…
許さない…絶対…
「ふ…」
ふざけんなよ…そう言いかけて
隆司の言葉が頭を駆け巡った。
"お前がでしゃばったりしたら
余計こじれるからな?
ちゃんと考えて行動しないと
真凛ちゃんが辛くなるだけだぞ?"
「え?何?」
岸田さんが俺に少し近づいてくる。
「いや…ごめん…
岸田さんの気持ちには応えられない。」
俺がそう答えると、岸田さんは
うつ向きながら話した。
「…そっか…
やっぱ…真凛が好きなのかな?」
「いや…そうじゃなくて…
真凛とはただの幼馴染みだよ。」
俺はとっさに嘘をついた。
「そう…
それなら、私…頑張っていい?」
「え…?」
「彼女にしてほしい…。」
「彼女?」
は?今…断ったけど…?
「本当に付き合わなくていいから…
好きじゃなくてもいいの…
一緒にいたいの…だめかな?」
「………ごめん」
俺が断ると岸田さんの目には
涙がいっぱいたまっているのが見えた。
「…うん…わかった…
私こそごめんね…ありがとう。」
「うん…」
「ねぇ…
真凛は誰が好きなんだろうね?」
「え…?」
「この前は、仲原くんの事、友達って
言ってたんだけど…
真凛って、仲原くんの事ばっかり
見てるよね…。
私ね…嘘つきって嫌いなんだ…。」
「何…言って…」
「じゃあ、私行くね…。」
そう言って岸田さんは、俺に手を振って
背を向けて歩き出した。
"嘘つきって嫌い"
もしかして…
真凛に何かするつもりなのか?
ちょっ…
グイッッッ!!
そうは…させない。
あれから俺は、真凛をずっと観察してる。
そして、クラスの女子の事も
何か手がかりはないか観察していた。
「仲原く~ん」
裏庭の掃除当番で掃除していると
後ろから女子達の声がしてくる。
「…何?」
俺が振り向くと岸田さんとよく一緒にいる
田所さんと女子達が数名…
俺の前に立っていた。
「ねぇ、仲原くん後でちょっといい?」
「後で?いいけど…?」
「じゃあ、掃除が終わったら
ここで待っててね?」
「うん…?」
俺がそう言うか言わないかくらいで
女子達は、きゃあきゃあ言いながら
歩きだして行ってしまった。
何だあれ…
女子って…まとまると
何かめんどくさそうだよなぁ…。
あれ?確か前に…
隆司が"女同士って怖い"
って言ってたような…本当にそうかもな。
真凛……
ふと、心配になっている俺がいた。
掃除が終わって待っていると
「仲原くんっ!」
岸田さんが手を振りながら
走って俺の前に現れた。
「岸田さん?」
「ごめんね…
テスト期間で忙しいのに…
こんな所に呼び出しちゃって。」
「いや、大丈夫だよ…どうしたの?」
そう言って岸田さんを見ると
岸田さんの顔は真っ赤に染まって
俺の顔を恥ずかしそうに見ている。
え……?
すると、急に岸田さんが話し出した。
「あのね…ずっと伝えたくて…
でも言えなくて…でも言わないと
絶対…後悔するから…私
私ね…ずっと前から仲原くんが好き。」
「え?」
「あっ…ごめんね!ビックリしたよね…
でも…本当に好きなの…私じゃだめかな?」
急な告白に、俺が戸惑っていると
少し離れた場所から声が聞こえた。
「もう……早く早く…」
「絵莉ちゃんの告白…
断るとかないよね…?!」
「仲原くん…やっぱ市ノ瀬さんが
好きなのかな?」
「はぁ?あんなヤツのどこがいいわけ…
それはマジでないでしょっ!?」
「そうだよね…
顔がちょっと可愛いからって
かなり調子のってるしね…。」
「そうそう…っ。」
「あの子、絶対に許せないよね~。」
「みんなぁ~怖いから~
市ノ瀬さん、マジで可哀想~。」
「自業自得しょっ…。」
「クスクス…もうやめてよっ…」
小さな声だったが背後からの声は
俺にはよく聞こえていた。
…これ…
"女子にいじめられてるんじゃん?
最近、ずっと一人でいるだろ?
渋谷とばっか一緒にいるの
おかしいって思っただろ?"
隆司の言葉が頭の中で何度も繰り返し
浮かんできていた。
この前の真凛の机…もしかして…
コイツらがやったのか…?
ドクン、ドクン、ドクン
心臓が激しく音をたてている。
全身の血流が一気に
逆流していくような感覚になる。
「あのさ…ちょっと聞いていいかな?」
「え…何?」
「真凛と仲直りできた?」
「え…あ…うん…大丈夫だよ。」
「そっか…」
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…
嘘つくな…
岸田さん…
真凛と仲良かったんじゃなかったの?
俺の事…好きって…
いつも真凛と一緒にいて
俺が誰を好きかわからなかった?
真凛と岸田さんは友達…
あ……友達…?
だから真凛…あんな態度…
友達のために…?
なら本当は…俺の事…
そう考えると…
今までの真凛の不自然な行動が
意味あるものへと変わっていく。
俺への態度を急に変えた事…。
いつもは避けたりしてるのに…
二人でいると俺を
嬉しそうに見つめてくる。
でもふとした瞬間…
とても悲しい瞳をしていた。
それらが…
一瞬にして繋がっていくような
感覚になる。
真凛の笑顔が消えた理由…。
お前ら…
そこにいるヤツ…出てこいよ。
マジでふざけんなよ…
真凛は、何も悪くないのに…
許さない…絶対…
「ふ…」
ふざけんなよ…そう言いかけて
隆司の言葉が頭を駆け巡った。
"お前がでしゃばったりしたら
余計こじれるからな?
ちゃんと考えて行動しないと
真凛ちゃんが辛くなるだけだぞ?"
「え?何?」
岸田さんが俺に少し近づいてくる。
「いや…ごめん…
岸田さんの気持ちには応えられない。」
俺がそう答えると、岸田さんは
うつ向きながら話した。
「…そっか…
やっぱ…真凛が好きなのかな?」
「いや…そうじゃなくて…
真凛とはただの幼馴染みだよ。」
俺はとっさに嘘をついた。
「そう…
それなら、私…頑張っていい?」
「え…?」
「彼女にしてほしい…。」
「彼女?」
は?今…断ったけど…?
「本当に付き合わなくていいから…
好きじゃなくてもいいの…
一緒にいたいの…だめかな?」
「………ごめん」
俺が断ると岸田さんの目には
涙がいっぱいたまっているのが見えた。
「…うん…わかった…
私こそごめんね…ありがとう。」
「うん…」
「ねぇ…
真凛は誰が好きなんだろうね?」
「え…?」
「この前は、仲原くんの事、友達って
言ってたんだけど…
真凛って、仲原くんの事ばっかり
見てるよね…。
私ね…嘘つきって嫌いなんだ…。」
「何…言って…」
「じゃあ、私行くね…。」
そう言って岸田さんは、俺に手を振って
背を向けて歩き出した。
"嘘つきって嫌い"
もしかして…
真凛に何かするつもりなのか?
ちょっ…
グイッッッ!!
そうは…させない。