「はい」
「ありがと」
数分して、生徒会室にコーヒーの香しいかおりが広がった。
凪くんは、コーヒーを受けとると、熱いのも気にせず口をつけた。
猫舌なあたしからしたら、どうしてそんな熱いものを一気に飲めるのかすごい不思議なんだけど。
やけどする様子もなく、あっという間に凪くんはコーヒーを平らげる。
すると、また席を立ち、生徒会長の席へと向かった。
まだ、仕事があるみたい。
「……今日はあとどれくらいかかりそう?」
「まだ、文化祭の依頼の件の書類制作が済んでいないから、一時間はかかる」
「……そっか」
もう仕事モードに入った彼は、淡々と言った。
あたしは彼の邪魔をしないよう、静かになると、冷めかかっているミルクティーを喉の奥へと押し込んだ。