「美桜先輩って誰のことなんだ?」
「俺がこの一週間、一緒に過ごした先輩だ。
ずっと、学校で会ってた」
「学校で……?」
夕は突然何かを思い出したかのように、再びパラパラとノートをめくりはじめる。
そして……。
「──あった!」
とあるページを開いて俺の目の前に突きつけた。
そこには、
『桜高付属学園 七不思議』
と大々的に印されていた。
その下には、文字がいくつかの丸で囲って分類してある。
その一つに目が留まった。
『桜少女の妖精』
名前の由来にもなった学校の周りの桜の木には、少女の姿をした妖精か宿っており、たびたび生徒に混じりながら、学園と桜の木を守りながら、学園生活を送っている──。
そして──。