「ねぇ、凪(なぎ)くん」


「…………」



 今日も、返事はない。


 いつものことでなれてしまっているあたしは、その広い背中を見つめて小さく、ため息をついた。


 ここは、生徒会室。


 そして、凪くんは、生徒会長。


 あたしは、単なる部会の部長。


 生徒会室にいるのは、たいてい生徒会長の凪くんくらい。


 ほかの部会の部長たちは、それぞれの活動場所に必要なものが置いてあるから、いちいち生徒会室に来なくていいし。


 あたしだって、そうなんだけどね。


 だけど、放課後、生徒会に残るのは、いつのまにかあたしたちの日課になっていた。