―!?


ずっと見つめてたすだれがふわっと待った。

涙も引っ込んで、着物が重いなんて事も忘れて勢い良く立ち上がる。


やっと、会え…






ええ、ええ、ええ!
なんとなく分かってたわよ!!

なによ!勘違いさせないでよね!最悪だわ!風なんかで勘違いするなんて!!

はぁ…
今日は疲れたわ。
空回ってばっかりじゃない。
良いわよそんな悲しそうな顔をしなくたって。
そういえばもう…秋だったのね。

―あああ!もう!!

『君待つと 我が恋居れば 我が屋戸の すだれ動かし 秋の風吹く』