……私の事だもん。分かってるわ。そろそろ限界な事くらい。



ほら、あの人の笑顔を思い浮かべると涙が出て来たでしょ。



そんな自分にも苛々する。

この地位も大切だし、家族も周りの人達も大切だから…
だから、この恋心は決して言わない。その心は変わらない。



だけど、でもたまに、心が痛みに屈しそうになるの。

痛くて、痛くて、痛くて


あの人と喋らないようにしても辛いし、喋べっても辛い。


もうこんな事ならいっそ―――



『玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする』