顔を歪めながら、懸命に口を開くルカ。


「ちぎ、れっ……た、の……っ。」


その言葉を聞いて、手の力が抜けていった。

ルカは目に涙を溜め、せき込んでいる。


「千切れただと?」

「っそうよ!! 千切れたの!! だから今ネックレスがどこにあるかなんて、私にもわからない!!」


ルカは俺を睨みつけながらボロボロと涙を流し始めた。

この女の涙を見たくないと言いながら、泣かせているのは俺か……。

泣かせておきながら涙を拭おうと手を伸ばすと、ルカはビクッと肩を揺らした。


「乱暴してごめん。 泣かないで。」


ジョシュは優しい口調でそう言いながら、ルカの涙を拭った。するとルカは余計に涙を流し始めた。


「そのネックレスは誰かからの贈り物?」

「……っ。」


少し落ち着きを取り戻したルカにジョシュが尋ねると、ルカの瞳は大きく揺れ動き、困惑の色を見せた。


「話したくなければいいんだ。 ただ、出来る事なら聞きたい。」