うそつき少女と双子の〜Diary〜

21歳の私

――― 久しぶり、昔のわたし。









今日のお昼時、私は昔の日記を見つけた。

昔は嫌なこと、一杯あったなぁ、と

思い出に浸りながらも、読んでみることにした。



思い出したくないことだって、沢山あるかもしれない。

でも、読まないとこの物語は始まらない。

だから私は、読もうと思う。




久しぶり、昔のわたし。

4歳のわたし

はじめまして、日記さん。

これからいーっぱいおもいでをここに、

かくんだ。だから、よろしくね！



この日記は大すきな、お母さんに

かってもらったの。

今日はね、小学校のにゅーがくしきだったから、おめでとうって。

にゅーがくしきは、いっぱい人がいて、恥ずかしかったけど

とってもたのしかった！！

明日からがたのしみだなぁ。

早く明日になぁーれ！

やっほー、日記さん。

今日はね、おとなりにすんでる

双子のきょうだいと学校に行ったんだ！


名前はるい（瑠衣）とるく（瑠久）

わたしにとーってもやさしくしてくれるんだ！

だからわたしは二人が大すきなのっ！


それで、学校ね、友達ができたんだ！

さつき（皐月）ちゃんとはな（華）ちゃん

二人ともすっごくかわいくて、やさしいんだ！！

わたしも二人みたいなれたらいいなっ


学校はまだ始まったばかりだからって、

早くかえったんだ。まだお昼にもなってなかったよ！

それでね、るいとるくとあそんだの。

三人でね、ギューッてしたの！

えへへ、るい、るく大すきだよっ！！


ふわぁ、今日はもうねむいから

おやすみなさい！

ただいま、日記さん。

今日はね、クラスのみんなとあそんだの。

にゅーがくしきから二週間たって

名前もおたがいにおぼえたころだからって

お外でるいとるくとお山であそんだの。

走ってたらわたし、ころんじゃったの。

イタくてないてたら、

るいとるくが「大丈夫？」って、

おんぶしてくれて、ほけんしつに

つれてってくれたんだ！

二人とも力もちだよね！



バンソーコーはってもらって、

三人で教室に戻ったんだ。

そしたら、あそびの時間はもうおわってたみたいで、

みんな教室にいたんだ。



るいとるくみたいに【大丈夫？】って

聞かれるのかなー？っておもってたら

どこいってたのー？るい君とるく君をつれてったら

わたしたちが一緒にあそべないじゃん！！

って、怒られた。なんで？

ふつーはしんぱいするんじゃないの？


はぁ、今日はざんねんな日でした。

21歳の私

この頃はまだ良かった。

私もまだ無邪気で、何も知らぬ無知で。

今となってはもう、遅いけど。


これからわたしはどんどん壊れていくことになる。

いや、壊れたのはわたしだけじゃ

無かったのかもしれない。

もう、どうでもいいけどね。


さぁ、早く読み終えてしまおう。

5歳のわたし

新学期をむかえ、わたしは二年生になった。

新しいクラスになって、皐月ちゃんと

華ちゃんとちがうクラスになってしまった。


そういえば、この学校はいわゆる

おじょう様や坊っちゃんが通う学校らしい


ここに入るには試験があって、

わたしは成績が良かったから入れたらしい。

だから勉強のスピードも早くて、

けっこう大変。

ちなみに瑠衣と瑠久は財閥のお坊ちゃん。

だから最近は家庭教師とかで

少し遊ぶ時間が減ってしまった。

それがとても残念だけど、

しかたないよね・・・。



そんなこんなで、新しいクラスなんだけど、

仲が良くなれそうな人は少なめ。

大丈夫かな？このクラスで。

瑠衣と瑠久が同じクラスだから、

何とかやってけるよね！うん！



そういえば、最近お母さんが

体調悪そうで、しんぱい。

大丈夫かなぁ？