「ハロ〜!紫乃
俺だよぉ〜、柳瀬 真冬だよぉ〜」
「ま、真冬…っ!?」
携帯の向こうから聴こえる声は確かに
真冬だった
だけど、いつもの優しい声とは違い
陽気な声で私に話しかけていた
「ま、真冬…っ
ど、どういうこと…っ
せ、説明して…!!」
「ああー、うるせぇなー
スピーカー越しなのに、あんたの声は耳障りだわー
あんたの喘ぎ声とかも
マジ気持ち悪くて仕方なかったわー」
「な…っ…」
私が今話している子は…
本当に柳瀬 真冬なの…?
「これはゲームだったんスよ、し・の ♪
担任が俺に惚れるかどうかのゲーム
まあ、今ここにいるクラスメイトは
俺の共犯で
全て俺らのやり取りを知ってまーす!」
「げ、ゲーム…?」
私はその場に立ち尽くし…
真冬はそんな私に気づいているのか分からないが、そのまま話し続けた
「そう ♪
俺って結構モテるからさぁ〜
なんか普通に落としたんじゃつまんなくてぇ…
そうだ!
不登校児を演じて先生を落とそうって思ったわけ
あんたはまんまと俺らの罠に引っかかったんだよ」
「う、嘘…」
そんな…
じゃあ、今までの真冬は…
全て偽りだったってこと…?
「因みに、中学のとき先生と付き合ってたのも嘘だよぉ〜
俺が、一番嫌いな職業の教師と付き合うわけねぇじゃん〜
教師は偽善者だからね〜
俺は一番嫌いなの〜
んで、あんたは俺の嘘を信じ
簡単に俺に落ちた
可哀想な生徒を演じれば
心を簡単に開くだろう?
あんたが一番今までの中で
俺に惚れるの早かったわー
紫乃の前にも担任落としてたけど
若くなかったからな〜
やっぱ、若いと落ちるの早いってことだな〜
勉強なったわー
んじゃ、バイバーイ
楽しかったよ 紫乃セ・ン・セ♡」
そう言って真冬は、私と終わりを告げた
みんなは私を見て嘲笑うと、自分のクラスに戻って行った