そこから僕はどうしたか覚えていない…
ただ、気づいたら…
カーラさんとさっきまで話していた公園のベンチで一人腰かけていた
藍……
藍……
『…………大丈夫か…?』
「………カーラさん」
カーラさんは、いつの間にか僕の目の前に立っていて
不安げに僕を見つめていた
「……カーラさんが、僕を20年後につれてきた理由が分かりましたよ…
僕は今の時代で死んでいたんですね…?
たぶん、カーラさんたちの店に入る前…
もうそのときに僕は死んでいたんですよね…?」
買い物帰りで…
そのときに僕は車に轢かれて死んだ…
『………ああ、そうだ…
お前が店に入ってきた時点で
お前はもう死んでいた
あの店は、自殺しようとしているヤツ
死ぬ寸前のヤツの意識を飛ばして、あの店に連れてくる…が……
お前は、即死だった
ギリ俺らの店に意識を飛ばされたから
あの店に入れた』
そうだったんだ……
じゃあ、僕があの店に入れたのは本当に偶然なんだ…
『20年後なのは…
周りの奴等がお前という人間を忘れる頃だからだ
死んで、1年後や10年後だと
まだ覚えている可能性があるからな…
それと掟でも、それくらいの時が経っていないと未来になんか人間を連れて来たらダメだからな…』
20年後……
僕や藍にとっては、すごく大きな時間だった…
『…………悲しいか…?』
「……悲しくないって言ったら嘘になりますけど…
嬉しい気持ちもあるんです…」
『嬉しい…?』
悲しいのは当たり前だ
だけど、嬉しい気持ちも少しある…