「あーもー、やってらんねぇ!!」

そういいながら淡々と作業する瑛星。

やってらんないとかいいつつ、手際いいっすね。

ここ最近でわかったことは、瑛星はやらなくてもそれなりにこなせる人だということ。

それから、感覚派。

そろそろ終わる頃、翔ちゃんが顔を出す。
その後ろには春花。

「なっちゃん、終わった?」

翔ちゃんは、瑛星には声をかけない。

なんとなくバトってる感じがしなくもない。

と、
「お、瑛星くんのほうが山が高いんだけど、なっちゃん?」

そう。そうだけど。

今、明らかに瑛星とコミュニケーションはかりにきたよね、翔ちゃん。

すると、
「瑛星“くん”ってキモイからやめて。瑛星でいいぞ、翔馬。」

え?お?な、なんだこれは!?

2人の後から、春花も驚いた表情。

あたしたちは顔を見合わせて笑った。

「な、なんだよお前ら!ほら、勉強すんだろ?提出してきてやっから、先やってろ!」

そう言って、教室から出ていった。