「ごちそうさまでした!」

お腹いっぱい食べたあとに、お風呂を借りる。

その後は

コンコン

「どうぞ。」

メガネの翔ちゃんがイスをくるりと半回転させて、いらっしゃい、と言った。

迷わずいつものところへ座ると、翔ちゃんもメガネを外して、あたしの向かいに座る。

「ねえ、聞いてよ!今日ね!」

別にもう腹が立ってるわけてはないが、なんとなく誰かに言いたかった。

そんなこんなで体育委員になったことを告げると、

「また瑛星くんとなの?」

最近、勉強以外は瑛星の話をしている気がする。

あいつが問題児なことが悪い。

あたしより頭いいけど。

それより、
翔ちゃん、ちょっと不機嫌?

「んー、そっかぁ。大変だねぇ。」

いつもより感想が薄っぺらい。
あたしの話聞いてた?

そこで話は途切れ、勉強タイムへと変わった。
翔ちゃん先生は学校の先生なんかよりずっとわかりやすい。

正解すると、ぽんぽんっとまた頭を撫でてくれる。

やっぱ不機嫌ではなさそう。
あたしの勘違いだった。