家に帰ると、玄関が開いていない。

あ、そうだ。今日はどっちも帰ってこないんだっけ。

鍵を探す。
が、見つからない。

これは、置いてきたパターンのやつだ。

はぁ...。

申し訳ないが、隣の家のインターホンを鳴らす。

「はーい。」

翔ちゃんの声。

「鍵、忘れちゃって。」

それだけいうと、翔ちゃんはどうぞ、と家にあがらせてくれた。
なんせ日常茶飯事だからね。

家にあがると、翔ちゃんのお母さんがパタパタとやってくる。

「なっちゃん!いい日に来たねぇ!今日我が家カレーなのよ。あ、泊まっていくんでしょう?」

「カレー!?」
目を輝かせる。
奥からはカレーのいい匂いが。

古賀家特製カレーはすごーーーく美味しい。
昔は、古賀家がカレーだと聞くと、食べに行ったくらいだ。

「い、いただきます!」

いつもの部屋に荷物を置いて、手を洗って食卓へ向かった。