「横川、唇切れてるけど…なんかあった?」 と、心配そうな顔で 俺の顔を覗き込んでいる。 拭う力が強くて、 切れてしまったのだろうか。 確かに血の味がする。 「もしかして……」 そう言って、真剣な顔になる林崎。 まさか……勘付かれたか…? その先を、林崎に言われるのが怖くて 俺は思わず目を逸らした。