「…ッ…離せよッ!」 掴まれた腕を振り払い、 俺は女を睨みつける。 「ふふっ、横川くんって…女の子苦手? あんまり慣れてないでしょ?」 「頼むから、2度と俺の前に出てくんな」 そう言って、俺はその場を後にした。 廊下に出るなり、すぐに 触れられた唇を拭った。 「まじうぜぇ…あの女」 鼻先に漂ってくるのは あの女の香水の匂い。 「早く匂い消えろよ……」 俺が1番嫌いな香りだった。