「……え、横川が寝てない。レアだわ」


脱いだブレザーをイスに掛けながら
林崎はそんなことを言う。


「レアじゃねーよ……。つーか、寝坊?」


「んなわけ…。
ちょっとね、良い行いをしてたんだー!」


ふふふ、と笑いながら
林崎はポケットから、5000円札を出して
ひらひらさせた。


「……?」


「あ、それとね!
横川みたいな人と友達になった!」


"輝っちは良い人そうだったけど
真桐ってヤツは横川以上に
ひねくれてるっていうか……"


と、よく分からない言葉たちに
俺は思わず首を傾げる。