「……決着なんてつけない。 あたしはもう、ヤンキーじゃないから。」 子どもの洋服に付いた土を落としながら あたしはそんなことを言う。 ……一刻も早く、この場を離れたい。 「…なんやて?」 途端に低くなった、彼の声。 そして…… __カランッ… 後ろから、鉄を引きずるような音が聞こえ あたしは咄嗟に振り向いた。 彼の仲間は、バットを持っている。