「ねぇ柊季。なんか、声聞こえなかった?」


うっすらだけど…怒鳴り声、というか…
なんというか……。


「…声?…聞こえないけど…」


そう言って、柊季は辺りを見回す。


「……やっぱなんか、泣き声聞こえる。
柊季、ちょっとここで待ってて…!」


「え!?どこ行くんだよ、茉実」


「すぐ戻ってくる…!」


そう言って、あたしは
うっすらと声が聞こえる方を辿って行く。


……子どもかな?誰か泣いてる気がする。


怪我でもしたのかな。


そんなことを思いながら、
あたしは走った。